駆け出しフリーランスはiDeCoよりNISAを先に始めるべき3つの理由【FPが解説】

2026.03.11投稿

  • フリーランスなので収入が安定しなくて老後が心配
  • NISAとiDeCoがいいって聞いたけど違いがよく分からない
  • 自分の場合はどうすればいいのか知りたい

フリーランスの人が資産運用を始めたいけど、調べた結果、結局どうすればいいのか分からなくなってしまうケースは多いです。FP資格を持つ現役フリーランスの筆者自身も、老後資金の用意が不安になった事がきっかけでNISAやiDeCoを勉強しました。今は、資産運用のやり方で分からないことはなくなったおかげで、本業で収入を増やすことに集中できるようになりました。

この記事ではNISA、iDeCo、小規模企業共済の特徴を踏まえて、フリーランスが資産運用をどのように進めていけば良いかを解説します。

この記事を読めば、資産運用の知識が全くないフリーランスが、自分に合った老後資金を作る方法が分かります。

この記事のポイント

収入が不安定なうちは換金のしやすいNISAで少額から積み立てていきましょう。収入が安定してきたら節税効果の高いiDeCo・小規模企業共済も始めるとより老後資金を作りやすくなります。

目次

NISAとiDeCoの特徴を比較

3つの理由を説明する前に、よく比較されるNISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)の特徴をおさらいしておきます。

NISAiDeCo
制度の目的資産運用老後資金の準備
税制優遇運用益が非課税運用益が非課税
掛金を全額、所得控除にできる
換金のしやすさいつでも売却できる原則60歳まで引き出せない

NISAは自由度が高く初心者向け、iDeCoは節税効果が高く老後資金に特化した制度です。

NISAは投資の利益を非課税にできる枠

NISAとは投資の運用益を永年、非課税にできる枠のことです。通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。しかし、NISAの枠内で買い付けた金融商品の運用益、配当金には税金がかかりません。

iDeCoは自分で作る私的年金

iDeCo公式サイトより引用

iDeCoは、公的年金に自分で上乗せする私的年金の制度です。自分で決めた投資先に毎月、一定額を積み立てます。その後、60歳以降に年金や一時金として受け取ります。NISAと同じく運用益は非課税です。

最大の特徴は、掛金が全額、所得控除の対象になる点です。所得控除とは、所得税の税率が掛けられる所得金額から一定額を引くことを指します。掛金を増やすほど、納める所得税を下げられます。

所得金額-所得控除額=課税所得額

課税所得額に所得税率を掛けて所得税が計算される。

駆け出しフリーランスでもNISAは始めやすい3つの理由

フリーランスを始めたばかりで、収入が安定しない時期はNISAから始めてみましょう。理由は以下の3点です。

  • 積み立てたお金がいつでも引き出せる
  • 積立金額をいつでも変更できる
  • 少額から積み立てられる

積み立てたお金がいつでも引き出せる

NISAに積み立てたお金はいつでも引き出せます。フリーランスは急な収入減や予期せぬ出費が起きやすいものです。NISAなら万が一の時の備えとして安心感があります。iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、収入が不安定な時期に全額をiDeCoに回すのはリスクがあります。例えば、突然クライアントが契約を打ち切り、翌月の収入がゼロになった場合でも、NISAに積み立てた資金を生活費に充てることができます。

積立金額をいつでも変更できる

NISAの積立金額はいつでも自由に変更できます。収入の状況に応じて、積立額を増やしたり、減らしたりと柔軟な運用が可能です。iDeCoは積立金額の変更が年1回しかできません。収入の波があるフリーランスにとって、積立金額の変更のしやすさは大きなメリットです。

少額から積み立てられる

NISAの枠なら少額から積立が可能です。SBI証券や楽天証券などのネット証券なら、誰でも月100円から積立を始められます。駆け出しフリーランスの時期は、まず無理のない金額で積立を始めることが長続きのポイントです。

積立金額の決め方が分からないという人は50 30 20ルールに則って決めるのが良いです。50 30 20ルールでは手取り収入を以下のように振り分けます。

比率内訳
50%家賃・食費などの生活に必須の固定費
30%趣味・娯楽などの生活の質を上げる変動費
20%投資・貯蓄

50 30 20ルールに則れば、趣味や娯楽費を必要以上に削ることなく投資資金を捻出できます。手取り収入の20%以内の金額は、無理のない積立金額だと言えます。

収入が安定してからiDeCoを始める3つの理由

フリーランスの収入が安定してきてから、iDeCoを検討しましょう。理由は以下の3点です。

  • 高所得者ほど節税効果が大きい
  • 60歳まで資金がロックされる
  • 掛金上限が会社員より高い

高所得者ほど節税効果が大きい

収入が安定してからiDeCoを始めるべき最大の理由は、高所得者ほど節税効果が大きいからです。iDeCoの節税額は以下の計算式で求められます。

年間の節税額の計算式

年間の節税額=年間の掛金× (所得税率+ 住民税率 (一律10%))

以下の表は、月に10,000円(年120,000円)拠出した場合の年間の節税額を、所得税率5%と20%の場合で比較した結果です。

年収300万円程度(所得税率 5%)年収800万円程度(所得税率 20%)
所得税の軽減6,000円24,000円
住民税の軽減12,000円12,000円
合計節税額18,000円36,000円

同じ額を拠出した場合でも、所得税率によって節税額が変わってきます。税率が低く、節税メリットが薄いうちは、無理してiDeCoを始める必要はありません。

60歳まで資金がロックされる

iDeCoは原則60歳まで資金を引き出せません。収入が不安定な時期にiDeCoに資金を集中させてしまうと、急な収入減や予期せぬ出費が発生した時に対応できなくなるリスクがあります。収入を安定させてからiDeCoを始めるのが賢明です。

掛金上限が会社員より高い

フリーランスのiDeCo掛金上限額は会社員より高いです。フリーランスの掛金上限は会社員の掛金上限(多くて月2.3万円)より多い月6.8万円(年間81.6万円)です。収入が安定して所得税率が上がってからiDeCoを始めれば、会社員より大きな節税効果を得ながら老後資金を積み上げられます。

小規模企業共済とiDeCoの異なる3点

iDeCoとよく似た制度に小規模企業共済という制度があります。小規模企業共済はフリーランスや中小企業経営者のために作られた退職金制度です。iDeCoより柔軟性が高いため、人によってはiDeCoより先に小規模企業共済を検討する価値があります。

小規模企業共済iDeCo
制度の目的退職金老後資産の準備
受け取り時期廃業時60歳以降
運用先中小機構が運用自分で投資先を選ぶ

iDeCoと同じく、掛金が全額、所得控除の対象です。掛金は月1,000円から70,000円の範囲で加入者が自由に設定できます。

小規模企業共済にはiDeCoと異なる点が3つあります。

  • 廃業・退職時に積立金を受け取れる
  • 貸付制度がある
  • 運用手段を決められない

廃業・退職時に積立金を受け取れる

1つ目は廃業・退職時に積立金を受け取れる点です。積立金の受け取りタイミングがiDeCoは原則60歳からですが、小規模企業共済はフリーランスを廃業した時です。60歳を待たずに受け取れるため、より柔軟な資金計画が立てられます。

貸付制度がある

2つ目は貸付制度がある点です。積み立てた金額の範囲内で低金利で資金の借り入れができます。急な資金需要が発生した時に活用できるため、収入が不安定になりやすいフリーランスにとって心強い制度です。

運用手段を決められない

3つ目は運用手段を決められない点です。小規模企業共済の掛金は運営元の中小機構が安全性の高い方法で運用します。(年利1%ほど)iDeCoのように投資先を自分で決められません。


以上の特徴から、小規模企業共済は運用益よりも節税効果と資金の柔軟性を重視するフリーランスに向いています「投資はちょっと怖い」「でも節税はしたい」という方はiDeCoより先に小規模企業共済を検討してみるのも一つの選択肢です。

まとめ 駆け出しフリーランスはまずNISAから始める

この記事では、駆け出しフリーランスがNISAとiDeCoをどう活用すべきかを解説しました。

収入が不安定なうちはNISAから始める。収入が安定してきたらiDeCoや小規模企業共済を追加する。という順番を守るだけで、無理なく老後資金を作ることができます。今は一方だけで十分です。そして資産運用と並行して、スキルアップへの自己投資も忘れずに行ってください。収入が増えれば積立額も増やせて、資産形成がさらに加速します。

まずは一歩踏み出すことが、将来の自分を助けることになります。この記事を読んで、老後資金の不安が少しでも解消されたなら幸いです。

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